NORI NOTE

行き場のないサンダル   
旅行に出ると意外と買い物出来ないタイプ。買い物モードのスイッチが入りにくくなるのだ。でも最終日、Kに促されて気になる店を何軒かまわり、ささやかにショッピング。やっぱり日本語のじょうずなお嬢さんのいる店でサンダルを購入。なかなかいいかんじのものが置いてあるお店でした。で、帰国してからサンダル出してみると、サイズが右左違っている。42と44って裏に書いてある。42を頼んだはずなのに。あーベトナム。詰めが甘い。どうしようか。無理かもしれないけどKにメールを出してもらう。返事は、43なら両方あります。なんで片割れの42と44がないわけ?とりあえず期待しないで43を頼む。そうして3週間。やっぱり無理かあ。ベトナムまだまだだなあ、って思っていると、来ました来ました。43が右左。でも42と44、送り返しても相方がいないんじゃねえと、ここにある。誰か欲しい人いますか?しかし、ベトナム人やっぱり憎めないというか。またハノイに行ったらあの店に行こう。



夜目遠目アオザイ美女   
と、しきりにKが言っていました。アオザイ制服の学生なんか全くいなかったし、ツアーコンダクターのおねーさんが旅行者引き連れてアオザイ姿で案内してるところぐらい。しかしやっと遭遇したアオザイ軍団。妙齢のマダームたちがお召しになっていらっしゃる。アオザイだけ見てるとアオザイ美女なんだな。まあ日本の着物姿も一緒か。アオザイは人を選ばず、とも言えよう。



シクロ野郎は今日もぼる   
どこの情報でもシクロには乗るなと書いてあったし、実際どいつもこいつも旅行者と見れば「シクロッ?」とうるさくつきまとうし、絶対乗るもんかと思っていたのに、フエの目も眩む暑さに、ちょっとそこまで乗ることになった。Kが手八丁口八丁で値段交渉。なんとか商談成立して乗ってみれば、なかなかに快適。風がきもちいい。だが商売熱心な彼らはだまっちゃいない。帰りもここで待ってるからと、まだまだ稼ごうとする。次は市場まで行こう、行かない?行かないんならぐるりと大回りして帰ろう。高い高い、だめだめ、なんて言っても全然めげない。結局王宮のまわりをぐるりとして帰る。フエのまちを見られて良かったし、夕暮れの気持ちよい空を眺めたし、満足はしました。しかし!最後まで、約束の料金以外に「ちょっとビール代ぐらいくれ」っていう言葉にはさすがの私も日本語で「なにいってんのよ」でした。それでも暑い中、人を乗せて車やバイクの間をぬって汗をかきかきシクロ自転車をこぐ彼らは働き者。今日も暑いフエで、やってんだろうなー「オー!ナカタ!シクロ?シクロ?OKナカタ!シクロ!OK!」



ベトナム的贅沢   
フエでは、皇帝廟を見に行きました。王宮については「賞賛すべき建築上のポエムである」って詩的な賛辞を読んで期待してたのにただの原っぱだったので、歴代の皇帝たちがどんな趣味で自分の廟をそれぞれ造ったのかいくつかをまわることに。トゥドゥック帝廟の趣味がいちばん好きだった。ひとけのない蓮の池。久しぶりに喧噪から解放されて満足。



熱帯雨林の眺め   
一番辛かったのは、寝台列車に乗るための待ち時間、ハノイ駅の汚い階段で眠ってしまったTをかかえ、乗り込んだ列車は3段のベッドの固いシートで、おまけに我々は上2段、Tが落ちるのを防ぐために狭いベッドで身動き取れず、うるさい音と振動のなか眠れず、コンパートメントで一緒だったベトナム人カップルの女の目つきが悪かったし(子どもが嫌いらしい)、虫に刺されてかゆいし、お弁当が出るのを楽しみにしていたのにカップヌードルだったし。でもまあそれらを帳消しにするくらい、窓の向こうの景色はよかったのでした。緑と土と水と。開放的な民家。洗濯物がはためき、はだしで歩き、水牛の世話をし、農作業をする。すべてが風景のなかで存在する。映画を見ているように外を眺めていた。

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