「ゆびぬき小路の秘密」小風さち 画・小野かおる 福音館書店

小風さちさんの幼児向け絵本、わにわにくんのシリーズ「わにわにのおふろ」と、「とべ!ちいさいプロペラき」がうちにある。両方とも、Tが小さい頃購入したもの。
両方ともページをめくって読み聞かせているのが、いつも気持ちのよい本だった。シンプルな内容なのに、言葉の選び方やリズムがよくて、声に出して読んでいると気持ちが伸びやかになってくる。気分がのってくる。絵を描いている人は違うのに(山口マオと山本忠敬)、それぞれの作風にもとっても合っていて、それも不思議に思っていた。
この本もいつか読みたいと思っていた本。こういう長編も書くんだ。
時間をめぐるちょっとしたファンタジーなのだったが、落ち着いた空気が終始流れていて、やっぱりそれは言葉のせいだろうか。仕立屋の住むゆびぬき小路や、舞台になっているまちが、頭の中にしっかりとイメージできたし、着心地のよいコートに腕を通すような感覚も一緒に体験できたし。それで、やっぱり挿し絵(画・小野かおる)の雰囲気がとっても合っていた。
今度は短編の身辺雑記のようなお話も、読んでみたいなあ。

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