はるひ美術館

里帰りの途中に名古屋近郊にある「はるひ美術館」に寄る。ひびのこづえの展覧会「キタイギタイ」。舞台の衣装や、雑誌掲載の写真や、彼女の作品を時折見かけては、ファッションデザイナーではなく、コスチューム・アーティストとして活動していることに興味があったし。
未だバブリーな装いの名古屋駅からJRで15分くらい走ると春日町で、のどかな畑が広がり、収穫時に取り残されたかぼちゃやらキューリが道端に転がっていたりする。古い民家の残る小道をこの道でいいのかしらんと歩いていると、この展覧会のためのかわいい絵柄の案内ポスターがそこここに貼ってある。美術館はこちらという矢印。真夏の炎天下、蝉の声を聞きながら人影のない知らない町を歩くこと20分。
小さな美術館に、ぎっしりと「生きもののかたち 服のかたち」が詰まっていた。
いろんなものがすべて、彼女を通ると、なにかしらのコスチュームとなって生まれてくるのだ。展示されていたものは、虫やら動物やらを題材にしたものが多かったのだが、彼女は世の中のすべてのものを、人間のからだにまといつくものとしてのコスチュームとして、創りだすことができるのだと思う。
スケッチ、楽しそうだったもの。イモムシ?イモムシはこうでこうでこうでしょ。カエルの卵?だったらそれはこうなるのよね、って。
作品のあまり布や解体したパーツを、コラージュしたり刺繍したり手芸して、バッグやおさいふやのオリジナルグッズを作って販売するショップもあって、つい嬉しくなってバッグを購入。
こういう細々とつくりこんでいって世界が現われてくるの、好きだなあ。