源義経とアイヌとイザベラ・バード

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、脚本家の腕が素晴らしく、歴史的な史実をうまくエンターテインメントとして作り上げています。特に、菅田将暉の源義経は、これまで演じられてきた源義経のイメージを塗り替えてしまった感じです。

源義経伝説は各地に残っているようです。武力に特別秀でていた八幡太郎義家のひ孫で、当時の常識を覆す戦術は、驚きと共に強さとして歴史に残っています。

明治初期にアジアを旅して、貴重な書物を残したスコットランド人地理学者のイザベラ・バードは、「日本奥地紀行」の中に北海道を訪れたときの記録を書き記しています。

「副酋長が私に、病人に対して親切にしれくれたことに対するお礼として、外国人が今まで誰も訪れたことのない彼らの神社に案内したい、と言った。
「ジグザグ道の頂上の壁ぎりぎりの端に木造の神社が建っている。」「明らかに日本式建築である。」
「棚には歴史的英雄義経の像が入っている小さな厨子がある。」「義経の華々しい戦の手柄のためではなくて、伝説によれば彼がアイヌ人に対して親切であったというだけの理由で、ここに義経の霊を絶やさずに守っているのを見て、私は何かほろりとしたものを感じた。」

とあります。
日本建築の神社であることから、いつの時期かに建立したのは東北地方から来た日本人なのか。アイヌ人に親切であったという伝説は、判官贔屓の私たちにも嬉しい伝説ですが、アイヌ人に親切にしたイザベラ・バードがここに招かれたこともまた興味深いです。

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