若葉台の家

所在地  広島市安佐南区伴北
主要用途 住宅
構造規模 木造 2階建
敷地面積 180m2
延床面積 105m2

安佐南区若葉台のアクセス道路を見下ろす位置に立地しています。
お施主さんは、ご夫婦と小さなお子さん二人の4人家族です。
生物の先生であるご主人、奥様共、自然やアウトドアが大好きで、都市的な利便性よりも、落ち着いた子育てが出来、自然環境に恵まれたこの場所を建設地に選ばれました。
ですから、山荘(のような住宅)から町に通うと言う生活を表現する事が、今回のテーマとなりました。

生活の中心となる広間を2階の南側に配置し、その前に木造の幅広いバルコニーを設置する事で、一年を通した半屋外生活を広間から延長して行う事を可能としています。
ご主人の最大の希望であった眺望の良い浴室は、広間の隣にバルコニーに面して配置する事で、夜間は谷間の向こうに広がる市街地やさらにその奥の山並みを望む事が出来ます。
2階の広間に隣接する和室は北側バス道路に対する開口は高く設置し、プライバシーと、空間の南面への指向を行っています。
2階でのユニークなスペースは、階段を上がり切った場所に設けたバッファゾーン。
帰宅した後の上着や日常的な利用頻度の多い物などを仮に収容する場所で、幅1.8mの間に、ハンガーパイプと収納棚を設け、目隠しできるようにしています。
収納はできるなら、長期収納と、繰り返し利用する為の短期収納するためのスペースが必要だと思います。
1階は、奥様のピアノ教室、ご主人の書斎、寝室、子供室があります。
32坪の中に5LDKを実現した住宅ですが、必要十分な各スペースと、将来のスペースの利用の想定と、優先順位の明確化によって、密度の濃い豊かな住宅に仕上がっていると思います。

ローコスト住宅でしたので、内部に使用した素材は、コストが安いながらもしっかり吟味した自然素材を中心に使いました。
床は桧の無垢のフローリング。
壁はドイツ漆喰と織物クロスを部屋によって使い分けました。
とても清々しい気持ちよい内部空間に仕上がっていて、小さなお子さん二人は、家(や庭)が大好きで、外に遊びに行きたがらないとのこと。

建築は、総2階で勾配のゆるやかな屋根としました。
先ず目に入るのが、下から見上げる角度となるので、今回の内部空間で最重要だった木造バルコニーをうっすらと透けるように配置。屋根によって建物に影が出切ることで、建物に深みが出てきます。
東西の隣地に面する妻面にはプライバシーを確保する位置や形態の開口部を設けているので、住宅内にいると、ただ南側の開かれた自然に対峙しているとう気持ちになります

TOP >  works >  住宅 >  若葉台の家