のりの図書館通い

★ 目に入ったら、ぜひよんでみて
★★ 再読したい、もしくは購入したい
★★★ すぐにでも手に入れたい


11月   
・「間取りの手帖」佐藤和歌子 リトル・モア
ちょっと前に話題になっていたのに、なんとなく手に取らなかったのが、今回は建築本特集になってしまい、その1。さささっと間取りを通り過ぎてしまった。あまり想像力を刺激されなかったなあ。へんな間取りがいろいろあったけど、そーんなに変でもないというか、こういうのあるよなっていうか。普通の間取りというのが巷に溢れている方が逆に気持ち悪いと思うし。マンション住まいにお邪魔するとみーんないっしょだもん。その方が違和感がある。
・「モダニストの夢聴竹居に住む」高橋功 産経新聞社
えー住んでるんだあ、ということでその2は聴竹居のインテリアを語る本。人が実際に住んでるとは知らなかった。ちょっと語りすぎだし、写真が偏ってるし、文章中のそこがみたいという箇所は写真等でもうちょっと充実させてもらいたい。それでも聴竹居は、うんと身近なものに認識されたことは確か。


・「最低で最高の本屋」松浦弥太郎 DAI-X出版★   
仕事と生活ライブラリーというシリーズを弥太郎君(ついこう呼んでしまう)が立ち上げて、まず自分のこと書かなきゃねっていう一冊。仕事をするということは、就職することでもお金を稼ぐことでもなくて、この世に生きるということ、ってかんじかな。



10月   
・「ムーミンを読む」冨原眞弓 講談社
トーベ・ヤンソン関連の本ではいつもお世話になっています。冨原さん。どんな人なのかなあという興味があります。トーベ・ヤンソンとイメージは重なるのだけど。シリーズをはじめから通してきちんと読んでいないので、これを読んで全貌がわかったしなるほどと思うことが沢山あった。テレビだけでムーミン知ってる人には無理です。
・「スウェーデンの小さな庭から」ビヤネール多美子 オークラ出版
私の生まれた頃に、外国で暮らしたくてこの人はスウェーデンに飛ぶのだけど、その頃の活動的で改革的で自由な気っ風の女の人たちの屈託のないことよ。勿論迷いや悩みや困ったことも沢山あったのだろうけど、こういう女の人たち(強引なくくり方ですみません)の書いた自叙伝のような読み物は、なんとなく同じような爽やかさを感じる。
・「チャペックの本棚ーヨゼフ・チャペックの装丁デザイン」ピエ・ブックス
リノリウムに彫った素朴な画風。ちょっと抜けてて洗練された感じ。カレル・チャペック(ヨゼフの弟)の「ながいながいお医者さんの話」を読みたくなる。
・「おいしいをつくるもの 而今禾の道具たち」主婦と生活社
三重県関町での田舎暮らし。最近流行の暮らしぶり。しかしこれでちゃんと稼げているのだろうか。こういう本を出して宣伝するからなんとかなるのだろうか。余計なお世話か。


「建築はほほえむ」松山巌 西田書店★   
素っ気なくてそれこそほほえましい装丁がこの人らしい。住宅を建てようと考える人たち(うちのお客さんになりそうな人)に何か本を一冊プレゼントするには何がよいかと考えていて、この本はどうだろうかと思いながら読んだ。住宅は具体的な仕様の集合ではあるけど、同時にもう少し観念的に考えることも必要。何度も出てくる「あなたが気持ちのよいと思う好きだなと感じる場所を考えてみよう」というフレーズ。大学ではじめて建築を学ぶ人たちに向けて書かれたこの本は、施主になろうとしている人にも正しく語りかける本。



「帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。」高山なおみ ロッ...   
見つけたとき、小躍りしました。ずっと本屋でも探していたから。図書館でも本屋でも本を選ぶとき、これも人生における出会いだよなあ。と思う。その時の自分の目にどんな本が飛び込んでくるか、そのうちの何を選択するのか。そこに本屋ではお金が絡むけど、図書館はそれがないぶん、気楽だし冒険も出来るし自由度が高いのがいいね。探している本をインターネットで注文するのは便利だけど、予定調和的で事務処理的で面白さはない。だから本屋で目的があるよでないよで、捜し物をするようにうろうろするのはやっぱり好き。それでないなあーってずっと思っていた本だったのだこれは。今の彼女の生きている環境とはちょっと違って、ちょっと若い。その生き方と表現を見ていたい女性としては武田百合子以来だな。



「テーブルの上のファーブル」クラフト・エヴィング商會 筑摩書房★   
最近出たものだった。(2004年5月)このあいだの「らくだこぶ書房・21世紀古書目録」も、書いてる人、書いている時間、読んでいる人、読んでいる時間の差をうまく渡り歩いて、本で表現する彼らの独特の世界ができあがっていたけど、今度のも同じような路線で、もっとこなれたというか楽になった。以前のいろんなものやことについて作り込んでいた本より私はこっちの方が好き。つくりこんでないわけじゃないんだけどね。彼らも自分たちの変化を自覚していて、第2期の最初の本って言っている。



「間取りがよい小住宅を作りたい」別冊家庭画報 世界文化社★   
タイトルはたるい感じですが、出てくる住宅は粒が揃っている。どうしたんというような風水住宅も一軒混じってますがこれは無視。奇をてらわず落ち着いた生活をしたいと思うような人がぱらぱらとめくるには、丁度良いかな。



9月   
・「Basic Life 3 人がつなぐ暮らし、手が伝える大切なこと」小澤典代 アノニマ・スタジオ
最近雑貨好きの人たちが、日本のもの、それも民藝ラインにすり寄ってきている。パリが好きなのって言っていた人が信州だ東北だって言っている。すおう工藝店もやり方で、売れ線のラインにのれるのになあ。
・「星の王子様」サン・テグジュベリ 岩波書店
小学校の時、借りたのに読めなかったっていう記憶がある。読んだのかも知れないけど読めなかったって思ったんだと思う。大人になって(?)読んでみると、読めないと思ったのは正解と今回わかる。これはメルヒェンではない。読みにくいのは訳者のせいでもあると思う。だれか訳し直してくれないかな。
・「アアルトの椅子とジャムティー」堀井和子 KKベストセラー ズ
甘くないからなんとなく好感がもてる。中性的だし、芯がはっきりしてる。ハードロックやぽけんもんや自転車が好きだなんて書いてあると、彼女の広がりが感じられて面白い。
・「ぶらんこ乗り」いしいしんじ 理論社
設定がちょっとひとりよがりというか、話の端々にだまのようなものがあるというか、無理があるというか。初めて書いた長編小説ということで?流れている空気感は他の話といっしょだけど。読者としては、やっぱりプラネタリウムのふたごの次を読みたいね。
・「照明『あかり』の設計」 中島龍興 建築資料研究社
照明の良い本を探しているのになかなか見つからない。この人は照明界(?)の第一人者だけど、わかりやすく誠実な態度で書いているような感じがしてよかった。もっと実例が見たいところ。


「本人の人々」本人・南伸坊 写真・南文子 マガジンハウス★   
すみませーん。南伸坊氏の本は読めば楽しませてもらうのですが、買ったことがありません。この本もいつか本屋で開いて笑いこけて、でもレジに持っていかなかった本です。再び写真を見つめ、エー似てるーやだーと言いながら、ふっと視線を外したときの残像がもはやその本人以外でなく、その目元、その口元、その…、と思っているうちに完全に南氏の芸に取り込まれています。おそるべし芸人南伸坊。見かけたら必見。(佐伯区図書館にあります)



「オキーフの家」マイロン・ウッド写真 クリスティン・テイラー・パッテン...   
ジョージア・オキーフについては、簡単に述べたくないぐらい思いがあるので省略したいのですが…。彼女の姿や家やそれらを取り巻く風景がここにはあって、最初のうちうるうるしながら見て読んでいました。でもやはりこれは彼女の作品や精神とはちょっとちがうところにあるものだと気付きました。彼女自身ではなく彼女のまわりにいた人々が、彼女についてを語っているもの、表現するものだと。勿論そう遠くはない。ジョージア・オキーフの営んでいた日々の近くで、彼女の心を理解していた人々の手によるものだということはよくわかるのだけど…。その家の写真はとても魅力的だけど、写真家の目とオキーフの目は違うと思う。41歳でオキーフは、ここに住むことを決心したと言う。自分が生きる場所を、生きていく方法を。41歳だって。…。

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